台湾市場への食品輸出を検討しているものの、複雑な規制や必要な手続きに不安を感じていませんか。自社製品が本当に輸出可能なのか、どんな証明書が必要なのか、事前に正確な情報を把握しておくことが成功への第一歩です。
この記事では、台湾への食品輸出に関する規制の全体像から、2024年9月に実施された大幅な規制撤廃の内容、そして実際の輸出に必要な具体的な手続きまでを体系的に解説します。原産地証明書や衛生証明書といった必須書類の取得方法、品目別の注意点、さらには展示会出展や販売代理店選定など実践的なポイントもご紹介します。
この記事を最後まで読めば、台湾への食品輸出に関する疑問が解消され、無駄な準備や投資を避けながら、確実に市場参入を進めるための知識が手に入ります。

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台湾への食品輸出規制の概要と最新動向

台湾は日本にとって重要な食品輸出市場です。距離が近く、親日的な国民性から、多くの日本企業が輸出先として注目しています。しかし、輸出を実現するには台湾独自の規制を正しく理解することが欠かせません。

2011年の東日本大震災以降、台湾は日本産食品に対して厳しい輸入規制を設けていました。しかし、2024年9月に大きな転換点を迎え、規制の大部分が撤廃されています。この変化により、日本の食品事業者にとって台湾市場への参入障壁が大幅に低くなりました。

ただし、規制撤廃後も守るべきルールは残っています。台湾の衛生福利部が定める食品安全基準や、品目ごとの輸入条件は引き続き存在します。これらを把握せずに輸出を進めると、通関で止められたり、予期せぬコストが発生したりする可能性があります。まずは現在の規制状況を正確に把握しましょう。

2024年9月の規制撤廃による変化

2024年9月1日、台湾の衛生福利部は日本産食品に対する輸入規制を全面撤廃する方針を発表しました。これは震災後13年以上続いた規制が解除されたことを意味します。

具体的に撤廃された規制は主に2つです。1つ目は、福島県を含む5県(福島、茨城、栃木、群馬、千葉)からの特定食品の輸入停止措置です。これまでこれらの地域で生産された一部の食品は台湾への輸出ができませんでしたが、この制限がなくなりました。

規制項目 2024年9月以前 2024年9月以降(現在)
放射性物質検査報告書 必須
・すべての日本産食品に添付義務
・検査費用: 1〜3万円/件
・所要期間: 5〜10営業日
・英語または中国語での作成が必要
不要
・添付義務が完全撤廃
・取引先から任意で求められる場合あり
・台湾側で輸入後モニタリング検査は継続
産地証明書 必須
・都道府県が発行
・発行手数料: 数百円〜数千円
・発行期間: 数日〜1週間
・すべての食品に添付
不要
・添付義務が完全撤廃
・取引先から任意で求められる場合あり
・輸出手続きの時間とコストが削減
特定5県からの食品輸入 制限あり
・福島、茨城、栃木、群馬、千葉
・特定食品の輸入停止
・上記地域の事業者は台湾輸出不可
制限撤廃
・すべての都道府県から輸出可能
・東日本の事業者に新たな機会
・地域特産品の輸出が実現

2つ目は、放射性物質検査報告書の添付義務です。以前は日本産食品を輸出する際、放射性物質が基準値以下であることを証明する検査報告書の提出が必須でした。この書類を用意するには時間とコストがかかっていましたが、現在は不要になっています。

また、産地証明書の添付義務も撤廃されました。これまでは都道府県が発行する産地を証明する書類が必要でしたが、この手続きも省略できるようになりました。これらの変更により、輸出準備の負担が大きく軽減されています。

現在も継続している規制内容

規制撤廃が進んだとはいえ、台湾への食品輸出には依然として守るべきルールが存在します。これらを見落とすと輸出できない事態に陥る可能性があるため注意が必要です。

まず、台湾の食品安全衛生管理法に基づく基準は引き続き適用されます。食品添加物の使用基準、残留農薬の上限値、微生物の基準値などは台湾独自の規定があり、日本の基準とは異なる場合があります。輸出前に自社製品がこれらの基準を満たしているか確認しましょう。

水産物については、施設登録制度が継続しています。台湾向けに水産食品を輸出する施設は、事前に台湾当局の承認を受ける必要があります。承認されていない施設で製造された水産物は輸出できません。また、衛生証明書の添付も引き続き求められます。

食品表示に関する規制も重要です。台湾では輸入食品に対して中国語表示が義務付けられています。商品名、原材料、賞味期限、製造者情報などを中国語で記載したラベルを貼付する必要があります。表示内容に不備があると、台湾での通関時に問題となります。

世界的な規制解除の流れと台湾の位置づけ

日本産食品に対する輸入規制は、世界的に解除される傾向にあります。震災直後は54の国と地域が何らかの規制を実施していましたが、科学的データの蓄積により、多くの国が規制を撤廃または緩和してきました。

2024年11月時点で、日本産食品に輸入規制を継続している国・地域は中国、ロシア、香港など少数になっています。EU諸国や米国、東南アジア諸国の多くは既に規制を解除しており、台湾の今回の決定もこの世界的な流れに沿ったものです。

台湾は日本にとって農林水産物・食品の輸出額で第4位の重要市場です(2023年実績)。年間約1,000億円規模の日本産食品が台湾に輸出されており、規制撤廃によりさらなる拡大が期待されています。特に福島県を含む東日本の事業者にとっては、新たな輸出機会が開かれた形です。

台湾消費者の日本食品に対する信頼は高く、品質の良さや安全性が評価されています。規制解除により、これまで輸出できなかった商品や地域の特産品を台湾市場に届けられるようになりました。この好機を活かすためにも、正しい手続きを理解して輸出を進めることが重要です。

台湾食品輸出で確認すべき規制項目

台湾への食品輸出を検討する際、最初に確認すべきなのが「自社製品が輸出可能かどうか」という点です。品目によっては輸入が禁止されていたり、特別な条件をクリアする必要があったりします。

規制項目は食品の種類によって異なります。生鮮食品と加工食品では求められる基準が違いますし、肉類や乳製品のような動物性食品は特に厳しい規制があります。自社製品がどのカテゴリーに該当するのかを正確に把握することから始めましょう。

また、使用している原材料や添加物も重要なチェックポイントです。日本では認められている添加物でも、台湾では使用が禁止されている場合があります。このような場合、レシピを変更するか、台湾向けの特別な配合で製造する必要が出てきます。事前確認を怠ると、せっかく準備した商品が輸出できないという事態になりかねません。

輸入禁止品目と制限がある食品カテゴリー

台湾には完全に輸入が禁止されている食品と、条件付きで輸入可能な食品があります。まず完全禁止品目から確認しましょう。

生鮮肉類(牛肉、豚肉、鶏肉など)は原則として輸入が認められていません。ただし、加熱処理済みの肉製品については輸出可能な場合があります。例えば、レトルト食品に含まれる肉や、缶詰の肉製品などです。この場合も厳格な衛生基準をクリアする必要があります。

生乳および一部の乳製品も輸入制限があります。粉ミルクやチーズなどの加工乳製品は輸出可能ですが、施設登録や衛生証明書が必要になります。卵とその加工品についても同様で、生卵の輸出は難しいものの、加工された卵製品は条件を満たせば輸出できます。

健康食品やサプリメントには特別な規制があります。台湾では健康食品を「一般食品」と「保健機能食品」に区分しており、効能を謳う場合は事前の許可申請が必要です。また、特定の成分(例:メラトニン、EPAの高濃度配合など)を含む製品は、輸入前に台湾の衛生福利部の審査を受けなければなりません。

放射性物質検査報告書の添付義務撤廃の詳細

2024年9月の規制撤廃で最も大きな変化の一つが、放射性物質検査報告書の添付義務がなくなったことです。これにより、輸出準備の時間とコストが大幅に削減されました。

以前の制度では、日本から台湾に食品を輸出する際、放射性セシウム(セシウム134と137)の検査を実施し、その結果を証明する報告書を用意する必要がありました。検査には専門の機関に依頼する必要があり、1件あたり数万円のコストと1週間程度の期間がかかっていました。

検査報告書には、サンプル採取日、検査方法、検査結果(ベクレル値)、検査機関の情報などを記載する必要がありました。また、報告書は日本語と英語または中国語での作成が求められるケースもあり、手続きが煩雑でした。

撤廃後の現在は、これらの書類準備が不要になっています。ただし、台湾当局は引き続き日本産食品のモニタリング検査を実施しています。輸入後に抜き取り検査が行われ、基準値を超える放射性物質が検出された場合は、その製品の輸入が停止される可能性があります。そのため、製造段階での品質管理は引き続き重要です。

産地証明書の添付義務撤廃の影響

産地証明書の添付義務撤廃も、輸出事業者にとって大きなメリットをもたらしています。この証明書は都道府県などの公的機関が発行するもので、食品の生産地や製造地を公式に証明する書類でした。

従来は、日本から台湾に食品を輸出する際、原則としてすべての食品に産地証明書を添付する必要がありました。証明書の取得には、まず都道府県の担当窓口に申請し、審査を受けるプロセスが必要でした。発行までに数日から1週間程度かかることが一般的で、急ぎの輸出には対応しにくい面がありました。

また、証明書の発行には手数料がかかります。金額は自治体によって異なりますが、1件あたり数百円から数千円程度です。定期的に輸出を行う事業者にとっては、この費用と手続きの負担が積み重なっていました。

現在は産地証明書の添付が不要になったため、これらの時間とコストを節約できます。輸出のスピードが上がり、より機動的なビジネス展開が可能になりました。特に小ロットでの輸出や、試験的な市場投入を検討している中小企業にとっては、参入障壁が下がった形です。

ただし、取引先や商習慣によっては、任意で産地証明書の提出を求められることもあります。また、他国への輸出では引き続き必要な場合もあるため、発行手続きの方法は把握しておくことをおすすめします。

台湾への食品輸出に必要な手続きの全体像

台湾への食品輸出を実現するには、いくつかの段階を経る必要があります。全体の流れを把握しておくことで、スムーズに準備を進められます。

大きく分けると、輸出前の準備段階、日本での輸出手続き、そして台湾での輸入通関手続きの3つのステップがあります。それぞれの段階で必要な書類や手続きが異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

特に初めて輸出を行う場合は、予想以上に時間がかかることがあります。余裕を持ったスケジュールを立て、各段階で必要な準備を確実に進めていきましょう。わからないことがあれば、ジェトロ(日本貿易振興機構)や地域の商工会議所などに相談することもできます。

台湾への食品輸出 手続きフロー
1
輸出前準備
自社製品が台湾の規制に適合しているか確認し、必要な準備を整える段階です。
  • 台湾の食品安全基準への適合確認
  • 使用添加物・原材料の確認
  • 中国語ラベルの作成・準備
  • 販売代理店・取引先の選定
  • 輸出価格の設定(輸送費・保険料含む)
  • 必要な証明書の確認と申請準備
⏱ 所要期間: 1〜3ヶ月
2
日本での輸出手続き
税関への輸出申告と、必要な証明書の取得を行います。
  • 輸出申告書の作成・提出(通関業者に依頼)
  • インボイス(商業送り状)の作成
  • パッキングリスト(梱包明細書)の作成
  • 必要な証明書の取得(衛生証明書など)
  • 税関審査・輸出許可の取得
  • 船会社・航空会社への貨物引き渡し
⏱ 所要期間: 3〜7日
3
輸送
商品を台湾まで輸送します。輸送方法により期間とコストが異なります。
  • 🚢 海上輸送: 3〜5日(コスト低)
  • ✈️ 航空輸送: 1〜2日(コスト高)
  • 温度管理が必要な商品は冷蔵・冷凍輸送
  • 貨物追跡で配送状況を確認
⏱ 所要期間: 1〜5日
4
台湾での輸入通関
台湾到着後、輸入者(代理店)が通関手続きを行います。
  • 輸入申告書の提出
  • 必要書類の提示(インボイス、証明書等)
  • 台湾税関による書類審査
  • 実物検査(抜き取り検査)
  • 食品安全基準の確認
  • 中国語表示ラベルの確認
⏱ 所要期間: 2〜5日
5
輸入許可・引き取り
通関手続き完了後、商品の引き取りと台湾国内での販売が可能になります。
  • 輸入許可証の発行
  • 商品の引き取り
  • 倉庫への搬入または店舗への配送
  • 台湾市場での販売開始
  • 販売状況のモニタリング
⏱ 通関完了後すぐに販売可能

輸出開始前に行うべき準備

輸出を始める前に、まず自社製品が台湾の規制に適合しているか確認しましょう。前述の輸入禁止品目に該当しないか、使用している添加物が台湾で認められているかなどをチェックします。

次に重要なのが、台湾での販売方法の決定です。直接現地の小売店や飲食店に販売するのか、商社や代理店を通すのかによって、必要な手続きや準備が変わってきます。多くの場合、現地の事情に詳しい代理店を見つけることが成功への近道です。

製品ラベルの準備も欠かせません。台湾では輸入食品に中国語の表示が義務付けられています。商品名、原材料名、内容量、賞味期限、保存方法、製造者情報、輸入者情報などを中国語で記載したラベルを用意します。翻訳は専門の業者に依頼するか、台湾の取引先に確認してもらうことをおすすめします。

輸出価格の設定も重要です。製品価格に加えて、輸送費、保険料、通関費用、台湾での販売マージンなどを考慮する必要があります。また、為替リスクも考慮に入れましょう。見積もりを作成する際は、これらすべてのコストを含めた総額で計算します。

輸出許可申請から通関までの流れ

日本からの輸出手続きは、まず輸出申告から始まります。輸出申告は税関に対して行うもので、通常は通関業者に代行を依頼します。初めて輸出する場合は、信頼できる通関業者を見つけることが重要です。

輸出申告には、インボイス(商業送り状)、パッキングリスト(梱包明細書)、船荷証券(B/L)などの書類が必要です。インボイスには、商品の詳細、数量、価格、取引条件などを記載します。パッキングリストには、どの箱に何が入っているかを明記します。

税関での審査が完了すると、輸出許可が下ります。その後、商品を船会社や航空会社に引き渡します。海上輸送の場合は、コンテナに積み込んで船積みします。航空輸送の場合は、空港の貨物ターミナルに搬入します。

輸送方法の選択も重要です。海上輸送は費用が安い反面、時間がかかります(日本から台湾まで3〜5日程度)。航空輸送は早い(1〜2日)ですが、費用は高くなります。商品の性質や緊急性、コストを考慮して選びましょう。賞味期限が短い食品や、季節商品などは航空輸送が適している場合が多いです。

比較項目 🚢 海上輸送 ✈️ 航空輸送
輸送期間 3〜5日程度
・日本から台湾まで
・天候により変動あり
・コンテナ積み込みに時間が必要
1〜2日程度
・最短で翌日到着も可能
・スケジュールが読みやすい
・迅速な納品が可能
輸送コスト 低コスト
・大量輸送でさらに割安
・コンテナ単位で効率的
・定期便が多く選択肢豊富
高コスト
・海上輸送の3〜5倍
・重量・容積で料金が変動
・小ロットでは割高に
適した商品 ✅ 賞味期限が長い食品
✅ 常温保存可能な商品
✅ 大量輸送する場合
✅ コスト重視の商品
(例: 缶詰、調味料、乾物、米など)
✅ 賞味期限が短い食品
✅ 生鮮・冷蔵品
✅ 季節商品
✅ 高付加価値商品
(例: 生菓子、鮮魚、果物、プレミアム商品)
温度管理 ・冷凍・冷蔵コンテナあり
・リーファーコンテナ使用
・長時間の温度管理が必要
・追加料金が発生
・冷蔵・冷凍輸送に対応
・短時間で鮮度維持
・温度変動リスクが少ない
・品質保持に有利
リスク・注意点 ⚠️ 天候による遅延リスク
⚠️ 長期在庫リスク
⚠️ 賞味期限管理が重要
⚠️ コンテナ混載時の制約
⚠️ コストが高い
⚠️ 重量制限あり
⚠️ 繁忙期は料金上昇
⚠️ 小ロットでは非効率

台湾側での通関手続きのポイント

商品が台湾に到着すると、輸入者(通常は取引先や代理店)が通関手続きを行います。日本の輸出者が直接対応することは少ないですが、手続きの流れを理解しておくことは重要です。

台湾での輸入通関では、輸入申告書、インボイス、パッキングリスト、船荷証券などの書類が必要です。食品の場合は、これらに加えて衛生証明書などの追加書類が求められることがあります。特に初回輸入の際は、製品の詳細情報や成分分析表の提出を求められる場合もあります。

台湾の税関では、書類審査に加えて、実物検査が行われることがあります。抜き取り検査で食品の安全性や表示内容が確認されます。問題がなければ、輸入許可が下り、商品を引き取ることができます。

通関でよくあるトラブルは、書類の不備や表示の誤りです。中国語ラベルの記載内容が不正確だったり、必須情報が欠けていたりすると、通関が止まってしまいます。また、申告した商品と実物が一致しない場合も問題になります。これらを避けるため、出荷前に書類と現物を入念にチェックしましょう。

初回輸出の場合、通関に予想以上の時間がかかることがあります。余裕を持ったスケジュールを組み、取引先にも状況を随時報告することが大切です。

台湾食品輸出で必要な証明書の種類と取得方法

台湾への食品輸出では、商品の種類によって様々な証明書が必要になります。2024年の規制緩和により一部の証明書は不要になりましたが、依然として必須の書類もあります。

証明書の取得には時間がかかる場合があるため、余裕を持って準備することが重要です。また、発行機関によって手続き方法や必要書類が異なるため、事前に確認しておきましょう。

ここでは主要な証明書について、それぞれの役割と取得方法を詳しく説明します。自社製品にどの証明書が必要かを確認し、計画的に準備を進めてください。

原産地証明書(産地証明書)の発行手続き

原産地証明書は、商品がどこで作られたかを公式に証明する書類です。2024年9月以降、台湾向け輸出では添付義務が撤廃されましたが、取引先から任意で求められるケースがあります。

原産地証明書には主に2種類あります。一般原産地証明書と、特恵原産地証明書(EPA/FTA証明書)です。一般原産地証明書は、単に日本で製造されたことを証明するものです。特恵原産地証明書は、日本と台湾の経済連携協定に基づき、関税優遇を受けるための証明書です。

一般原産地証明書は、商工会議所で発行してもらえます。申請には、輸出する商品の詳細情報、製造者情報、輸出先情報などを記載した申請書を提出します。初回申請時には、製造証明書や仕入れ証明書など、原産地を裏付ける書類の提出を求められることがあります。

発行手数料は商工会議所によって異なりますが、1通あたり数千円程度です。申請から発行まで、通常3〜5営業日かかります。急ぎの場合は特急対応も可能ですが、追加料金が発生します。オンライン申請システムを導入している商工会議所も増えており、手続きが効率化されています。

衛生証明書が必要な品目と申請方法

衛生証明書は、食品が衛生的に製造され、安全基準を満たしていることを証明する書類です。台湾向け輸出では、特に水産物を輸出する際に必須となります。

水産物の衛生証明書は、農林水産省または都道府県が発行します。ただし、証明書を発行してもらうには、製造施設が事前に台湾当局の承認を受けている必要があります。承認を受けていない施設で製造された水産物は、衛生証明書が発行されず、輸出できません。

施設承認の申請は、農林水産省を通じて行います。施設の設備や衛生管理体制が台湾の基準を満たしているかが審査されます。承認には数ヶ月かかる場合もあるため、水産物の輸出を検討している場合は、早めに手続きを開始しましょう。

衛生証明書の申請には、輸出する水産物の詳細情報、製造日、ロット番号などを記載した申請書を提出します。また、台湾の輸入者情報も必要です。証明書は通常、申請から数日以内に発行されます。発行手数料は無料の場合と有料の場合があり、自治体によって異なります。

畜産物や一部の加工食品についても、取引先や台湾当局から衛生証明書の提出を求められることがあります。その場合は、各都道府県の畜産部門や食品衛生部門に相談しましょう。

放射性物質検査報告書(撤廃後の対応)

放射性物質検査報告書の添付義務は撤廃されましたが、完全に不要になったわけではありません。状況に応じて準備が必要な場合があります。

まず、台湾の取引先から任意で検査報告書の提出を求められるケースがあります。特に初回取引や、大手小売チェーンとの取引では、安全性の追加確認として提出を依頼されることがあります。この場合、検査を実施して報告書を用意する必要があります。

また、台湾当局による輸入後のモニタリング検査で問題が見つかった場合、その後の輸出で検査報告書の提出を求められる可能性があります。万が一のリスクに備えて、定期的に自主検査を実施しておくことをおすすめします。

放射性物質検査は、登録検査機関で実施できます。厚生労働省が認定した検査機関のリストは、省のウェブサイトで確認できます。検査費用は1検体あたり1万円〜3万円程度、結果が出るまで5〜10営業日程度かかります。

検査報告書には、検体の採取日時と場所、検査方法、測定結果(放射性セシウム134と137の数値)、検査実施日、検査機関の情報などが記載されます。台湾への提出用には、英語または中国語の翻訳を添付すると良いでしょう。

証明書発行の申請窓口と所要期間

各種証明書の申請窓口と、発行までにかかる標準的な期間をまとめて確認しておきましょう。

原産地証明書は、最寄りの商工会議所が窓口です。全国の主要都市にあるため、アクセスしやすい窓口を選べます。所要期間は通常3〜5営業日ですが、特急対応を依頼すれば翌日発行も可能な場合があります。

水産物の衛生証明書は、農林水産省または都道府県の水産部門が窓口になります。申請は農林水産省の電子システムを通じて行います。証明書の発行自体は数日以内ですが、前提となる施設承認には数ヶ月かかることを念頭に置いてください。

畜産物に関する証明書は、都道府県の畜産担当部門が窓口です。家畜保健衛生所などが対応します。品目や輸出先の要求により必要な証明書の種類が異なるため、まずは相談から始めましょう。

加工食品の場合、産地証明書が必要だった頃は、都道府県の商工部門や農政部門が窓口でした。現在は添付義務が撤廃されていますが、任意で必要な場合は同じ窓口で対応してもらえます。

証明書発行には、基本的に申請書と商品情報、取引先情報が必要です。初回申請時は追加書類を求められることがあるため、時間に余裕を持って準備しましょう。また、発行手数料の支払い方法(現金、振込、収入印紙など)も事前に確認しておくとスムーズです。

わからないことがあれば、ジェトロの相談窓口を利用することもできます。ジェトロは全国に事務所があり、輸出に関する様々な相談に無料で対応しています。

台湾への食品輸出を成功させるための実践ポイント

証明書や手続きを理解することは重要ですが、実際に台湾市場で成功するにはそれだけでは不十分です。現地での販路開拓や、信頼できるパートナー探し、そして継続的な取引関係の構築が欠かせません。

台湾市場は親日的で日本食品への関心が高い一方、競争も激しくなっています。多くの日本企業が参入しているため、差別化や戦略的なアプローチが必要です。

ここでは、規制対応だけでなく、実際のビジネス展開で役立つ実践的なポイントを紹介します。これらを活用して、台湾市場での足がかりを築いてください。

台湾の展示会出展で販路を開拓する方法

台湾には、食品関連の展示会が定期的に開催されています。展示会への出展は、効率的に多くのバイヤーと接点を持てる貴重な機会です。

代表的な展示会として「台北国際食品見本市(FOOD TAIPEI)」があります。毎年6月頃に開催され、台湾内外から多くの食品関連企業が出展します。来場者には小売店バイヤー、飲食店経営者、商社担当者など、実際の購買決定権を持つ人が多く含まれています。

展示会出展のメリットは、短期間で多数の商談ができることです。通常のビジネスでは、バイヤーとのアポイント取得から商談まで時間がかかりますが、展示会では興味を持った相手がブースを訪れてくれます。その場で試食をしてもらい、反応を見ながら商品説明ができるため、商談が具体化しやすくなります。

初めて出展する場合は、ジェトロが主催する日本パビリオンへの参加がおすすめです。日本企業がまとまって出展するため、個別出展よりもコストを抑えられます。また、ジェトロのサポートスタッフが現地での通訳や商談サポートを提供してくれるため、言葉の不安も軽減されます。

展示会での成功のコツは、事前準備です。中国語の商品カタログやパンフレットを用意し、価格表や取引条件を明確にしておきましょう。また、試食サンプルは多めに準備します。名刺交換だけで終わらせず、その場で次のアクションを決めることが重要です。

信頼できる台湾の販売代理店の見つけ方

台湾市場で継続的にビジネスを展開するには、現地の販売代理店やインポーターとの提携が効果的です。彼らは台湾の商習慣や流通ネットワークを熟知しており、市場参入をスムーズに進める助けとなります。

良い代理店を見つける方法はいくつかあります。前述の展示会で出会うのも一つの方法です。展示会では、既に日本食品を取り扱っている代理店が新しい商品を探しに来ています。自社製品に関心を示した企業があれば、積極的に関係を深めましょう。

ジェトロのマッチングサービスを利用することもできます。ジェトロは台湾に事務所があり、現地の輸入業者データベースを保有しています。自社製品の特性や希望条件を伝えれば、適切な候補企業を紹介してもらえます。商談のセッティングもサポートしてくれるため、初めての海外取引でも安心です。

代理店を選ぶ際のポイントは、実績と専門性です。既に類似商品を扱っている代理店は、その商品カテゴリーでの販路を持っているため、スムーズに販売を開始できます。逆に、全く異なる分野の商品しか扱っていない代理店は、新規開拓が必要になり時間がかかります。

また、代理店の規模も考慮しましょう。大手代理店は多くの小売店にアクセスできますが、小規模メーカーの商品は優先度が低くなりがちです。中小規模の代理店の方が、きめ細かい対応をしてくれる場合もあります。自社の規模や商品特性に合った相手を選ぶことが大切です。

契約前には、代理店の信用調査を行いましょう。過去の取引実績、財務状況、評判などを確認します。可能であれば、その代理店と既に取引している日本企業に話を聞くと、実際の対応状況がわかります。

輸出後のトラブル回避と継続的な取引のコツ

輸出が始まった後も、様々な課題が発生する可能性があります。トラブルを未然に防ぎ、長期的な取引関係を築くためのポイントを押さえておきましょう。

まず重要なのが、品質の一貫性です。初回出荷で好評を得ても、次回の品質が落ちると信頼を失います。製造工程の管理を徹底し、常に同じ品質の製品を提供できる体制を整えましょう。特に賞味期限の管理は重要です。台湾に到着してから十分な販売期間が確保できる賞味期限の商品を出荷してください。

コミュニケーションも欠かせません。代理店や取引先とは定期的に連絡を取り、販売状況や市場の反応を共有しましょう。問題が発生した際に迅速に対応できるよう、連絡体制を明確にしておくことが大切です。時差が小さいため、台湾とはリアルタイムでやり取りしやすい利点があります。

可能であれば、定期的に台湾を訪問することをおすすめします。実際に店頭で自社製品がどう陳列されているかを見たり、代理店と対面で話したりすることで、理解が深まります。また、現地の食トレンドや競合商品の情報も収集できます。

柔軟な対応も成功の鍵です。台湾市場の要望に応じて、パッケージサイズの変更や、台湾限定商品の開発を検討することも効果的です。現地のニーズに合わせてカスタマイズすることで、競争力が高まります。

支払い条件も明確にしておきましょう。初回取引では前払いやL/C(信用状)を利用し、リスクを最小限に抑えます。信頼関係が築けたら、段階的に条件を緩和していくことも可能です。契約書は必ず作成し、双方の権利と義務を明文化しておきましょう。

まとめ:台湾への食品輸出規制を理解して市場参入を実現

台湾への食品輸出は、2024年9月の大幅な規制緩和により、以前よりも格段に取り組みやすくなりました。放射性物質検査報告書や産地証明書の添付義務が撤廃され、時間とコストの両面で負担が軽減されています。

ただし、規制緩和後も守るべきルールは存在します。台湾の食品安全基準への適合、品目ごとの輸入条件の確認、中国語表示の準備など、クリアすべき要件はあります。自社製品がこれらの条件を満たしているかを事前に確認することが、スムーズな輸出の第一歩です。

必要な証明書は商品の種類によって異なります。水産物を輸出する場合は施設承認と衛生証明書が必須です。その他の食品でも、取引先から追加の証明書を求められる可能性があります。各証明書の発行には時間がかかる場合があるため、余裕を持った準備が重要です。

輸出手続きの全体像を理解し、段階的に進めていきましょう。輸出前の準備、日本での輸出通関、台湾での輸入通関という3つのステップを着実に進めることで、トラブルを回避できます。初めての輸出で不安がある場合は、通関業者やフォワーダー、ジェトロなどの専門機関に相談しながら進めることをおすすめします。

台湾市場での成功には、規制対応だけでなく、販路開拓やパートナー選びも重要です。展示会への出展や、信頼できる代理店との提携により、効率的に市場に参入できます。また、輸出開始後も継続的なコミュニケーションと品質管理を怠らず、長期的な取引関係を築いていくことが大切です。

台湾は地理的にも近く、親日的で日本食品への関心が高い魅力的な市場です。規制緩和という追い風を活かし、しっかりとした準備と戦略的なアプローチで、台湾市場での成功を実現してください。この記事が、皆様の台湾向け食品輸出の第一歩を踏み出す助けとなれば幸いです。