日本から韓国へ食品を輸出する際、自社製品がどのような規制の対象になるのか、どんな手続きが必要なのか判断に迷っていませんか。韓国の食品輸入規制は放射性物質検査から施設登録、ラベル表示まで多岐にわたり、品目ごとに異なる要件を満たす必要があります。
本記事では、韓国食品輸出規制の全体像から輸入禁止品目、必要な手続きの流れ、施設登録・事業者登録の方法、証明書や書類の準備まで、実務に直結する情報を体系的にまとめました。水産物・農産物・加工食品など品目別の規制内容も詳しく取り上げています。
この記事を読み終える頃には、韓国への食品輸出に関する規制要件を正確に理解し、自社製品の輸出可否を判断できるようになります。法令を遵守しながらスムーズに輸出手続きを進めるための具体的な道筋が見えてくるはずです。
韓国食品輸出規制の全体像
韓国は日本から近く、文化的にも似ている部分が多いため、食品の輸出先として魅力的な市場です。しかし、実際に輸出を始めるには、韓国政府が定めるさまざまな規制をクリアしなければなりません。この規制は食品の安全性を守るために設けられており、放射性物質の検査から施設の登録、表示ラベルの内容まで多岐にわたります。
韓国への食品輸出では、まず自社の製品がどの規制の対象になるのかを正しく把握することが重要です。水産物なのか農産物なのか、あるいは加工食品なのかによって、求められる手続きや証明書の種類が大きく変わってきます。また、韓国側の法律や基準は日本とは異なるため、日本国内で問題なく販売できている製品でも、韓国向けには追加の対応が必要になるケースがほとんどです。
この章では、韓国への食品輸出を検討する際に知っておくべき規制の全体像を整理していきます。どのような種類の規制があり、どんな品目が対象になるのかを理解することで、自社製品の輸出可否を判断する第一歩を踏み出せるでしょう。
韓国への食品輸出が注目される理由
韓国は人口約5,100万人を抱える成熟した消費市場であり、日本の食品に対する関心が非常に高い国です。地理的に近いため輸送コストが抑えられ、配送日数も短いことから、鮮度が求められる水産物や農産物の輸出に適しています。また、韓流ブームや訪日観光の影響で、日本の食文化への理解が深まっており、日本産食品へのニーズは年々高まっています。
特に注目すべきは、韓国の高齢化社会の進展です。日本以上のスピードで高齢化が進んでおり、健康志向の高まりとともに、品質の良い食品や健康食品への需要が拡大しています。日本産の水産物、農産物、調味料、健康食品などは「安全で高品質」というイメージが定着しており、韓国の消費者から高い評価を得ているのです。
さらに、韓国政府は自由貿易協定(FTA)を積極的に推進しており、日本との経済交流も活発化しています。こうした背景から、韓国市場は日本の食品メーカーや輸出事業者にとって、戦略的に重要な輸出先として位置づけられています。
:主な規制の種類と対象品目
韓国への食品輸出では、大きく分けて5つの規制カテゴリーを理解する必要があります。第一に「輸入禁止・制限品目」で、これには放射性物質に関する規制や対外貿易法による制限が含まれます。福島原発事故以降、特定の地域で生産された食品については輸入が制限されているため、産地証明が重要になります。
第二に「施設登録と事業者登録」です。韓国に食品を輸出する施設(工場や加工場)は、韓国の食品医薬品安全処(MFDS)への登録が必要な場合があります。特に水産物、畜産物、健康食品などは施設登録が義務付けられており、登録なしでは輸出できません。
第三に「検疫と検査」があります。動物由来の食品には動物検疫が、植物由来の食品には植物検疫が必要です。また、放射性物質検査や残留農薬検査など、安全性を証明するための各種検査が求められます。
第四に「食品規格と添加物規制」です。韓国では独自の食品規格が定められており、重金属の含有量、汚染物質の基準値、使用できる食品添加物の種類などが細かく規定されています。日本で認められている添加物でも、韓国では使用が禁止されているものがあるため注意が必要です。
第五に「表示・ラベル規制」です。韓国語での表示が義務付けられており、原材料名、栄養成分、製造者情報、消費期限など、記載すべき内容が法律で定められています。これらの規制を満たさない製品は、韓国での販売ができません。
韓国食品輸出規制|輸入禁止品目と制限事項
韓国への食品輸出を検討する際、最初に確認すべきは「そもそも自社製品が輸出できるのか」という点です。韓国では食品の安全性を確保するため、特定の品目や産地からの輸入を禁止・制限しています。これらの規制を事前に把握しておかないと、準備を進めてから輸出できないことが判明するという事態になりかねません。
輸入禁止や制限の理由は主に3つあります。一つ目は放射性物質への懸念、二つ目は動植物の病害虫の侵入防止、三つ目は韓国国内産業の保護です。特に放射性物質に関する規制は、福島原発事故以降、厳格に運用されており、日本の食品輸出にとって大きな課題となっています。
この章では、韓国が定める輸入禁止品目と制限事項について、具体的な内容を詳しく見ていきます。自社製品がこれらの制限に該当しないかを確認することで、輸出計画を現実的に進められるようになります。
放射性物質に関する輸入規制
韓国は2013年9月以降、福島県をはじめとする8県(福島、宮城、岩手、栃木、群馬、茨城、千葉、青森)で生産・加工されたすべての水産物の輸入を全面的に禁止しています。この措置は現在も継続されており、対象地域で水揚げされた魚介類や、これらの地域で加工された水産加工品は韓国に輸出できません。
さらに、上記8県以外の地域から輸出される食品についても、放射性物質検査の証明書提出が義務付けられています。検査対象となるのは、水産物(すべての魚類、貝類、海藻類)、農産物の一部、加工食品などです。検査では放射性セシウム(セシウム134および137)とヨウ素131が測定され、韓国が定める基準値以下であることを証明する必要があります。
韓国の基準値は、一般食品で100ベクレル/kg、乳児用食品や飲料水ではさらに厳しい基準が適用されます。検査は日本国内の農林水産省が認定した検査機関で実施し、発行された証明書を輸出時に添付しなければなりません。この証明書がないと、韓国の税関で通関できず、最悪の場合は返送または廃棄処分となります。
注意すべきは、産地証明だけでなく加工地の証明も求められる点です。たとえば他県で水揚げされた魚を福島県内の工場で加工した場合、その製品は輸出禁止対象となります。したがって、原料の産地と加工施設の所在地の両方を明確に管理する必要があります。
対外貿易法による輸入制限品目
韓国の対外貿易法では、国家安全保障、公衆衛生、環境保護などの理由から、特定の品目について輸入を制限または禁止しています。食品分野では、主に以下のような品目が対象となります。
まず、牛肉や豚肉などの畜産物は、動物の伝染病予防の観点から厳しく管理されています。日本からの牛肉輸出は、BSE(牛海綿状脳症)対策として長年制限されてきましたが、現在は一定の条件を満たせば輸出が可能です。ただし、輸出できる施設が限定されており、事前に韓国政府の認定を受けた食肉処理施設からのみ輸出できます。
次に、遺伝子組み換え食品(GMO食品)については、韓国での安全性審査を経て承認されたもののみ輸入が認められます。日本国内で流通している遺伝子組み換え作物や、それを原料とする加工食品を韓国に輸出する場合は、韓国での承認状況を事前に確認する必要があります。
また、健康機能食品(日本でいう特定保健用食品や機能性表示食品に相当)も、対外貿易法の管理対象です。健康機能食品として韓国で販売するには、製品ごとに韓国食品医薬品安全処の審査と許可が必要となり、通常の食品とは別の手続きが求められます。
さらに、アルコール飲料については、韓国の酒税法による規制があり、輸入業者が韓国国税庁への登録を済ませている必要があります。日本酒や焼酎などを輸出する際は、韓国側の輸入業者が適切な許可を持っているかを確認しましょう。
植物防疫法・動物検疫の対象品目
韓国への食品輸出では、植物由来の食品には植物防疫検査が、動物由来の食品には動物検疫が義務付けられています。これは病害虫や家畜の伝染病が国境を越えて広がるのを防ぐための重要な措置です。
植物防疫法の対象となるのは、生鮮野菜、果物、穀物、種子、苗木などです。これらの品目を輸出する際は、日本の植物防疫所で検査を受け、植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)を取得する必要があります。検査では、対象となる植物に病害虫が付着していないか、韓国が輸入を禁止している病害虫の発生地域からの出荷でないかなどが確認されます。
特に注意が必要なのは、韓国が輸入を禁止している特定の病害虫や植物です。たとえば、特定の地域で発生している植物の病気(火傷病など)がある場合、その地域からの果物の輸出が制限されることがあります。また、土がついた状態での野菜や苗木の輸出は、原則として禁止されています。
一方、動物検疫の対象となるのは、食肉、乳製品、卵、蜂蜜、魚介類などの動物由来食品です。これらを輸出する際は、日本の動物検疫所で検査を受け、輸出検疫証明書を取得します。検査では、口蹄疫、鳥インフルエンザ、豚熱などの伝染病に感染していないことが確認されます。
水産物については、生きた状態で輸出する場合(活魚)に特別な規制があります。活魚を韓国に輸出するには、養殖施設や水揚げ港が韓国政府に登録されている必要があり、さらに産地証明書の提出が求められます。冷凍や加工された水産物の場合でも、原料の産地情報や衛生管理状況を証明する書類が必要です。
韓国への食品輸出に必要な手続きの流れ
韓国への食品輸出は、いくつかの段階を踏んで進めていく必要があります。準備段階から輸出後の確認まで、それぞれのステップで必要な作業や書類が異なるため、全体の流れを理解しておくことが大切です。手続きを漏れなく進めることで、スムーズな輸出が実現します。
輸出手続きは大きく分けて「準備段階」「通関・船積み段階」「韓国での輸入通関段階」の3つのフェーズに分かれます。準備段階では、輸出の可否確認、契約交渉、必要書類の準備などを行います。通関・船積み段階では、日本側での輸出申告と商品の発送を進めます。そして最後に、韓国側での輸入通関と商品の引き渡しが行われます。
この章では、各段階で何をすべきか、どんな書類が必要か、誰が何を担当するのかを具体的に解説していきます。初めて韓国に食品を輸出する方でも、この流れに沿って進めれば、必要な手続きを確実に完了できるでしょう。
輸出準備から通関までの全体フロー
韓国への食品輸出は、まず自社製品が輸出可能かどうかの確認から始まります。前章で説明した輸入禁止品目や制限事項に該当しないか、必要な施設登録や事業者登録が済んでいるかをチェックします。この段階で問題があれば、登録手続きを先に進めるか、製品の仕様変更を検討する必要があります。
次に、韓国側の輸入業者を見つけて商談を開始します。輸入業者は韓国での販売ルートを持っており、現地の規制にも詳しいため、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。商談では、製品の仕様、価格、納期、支払い条件などを詰めていき、最終的に売買契約を結びます。
契約が成立したら、必要な証明書や書類の準備に入ります。放射性物質検査証明書、産地証明書、衛生証明書など、品目に応じた書類を揃えます。これらの証明書は発行までに数日から数週間かかる場合があるため、余裕を持って申請することが大切です。
書類の準備と並行して、物流の手配も進めます。商品を韓国まで運ぶための船会社や航空会社を選び、輸送スケジュールを確定します。また、通関手続きを代行してくれる通関業者(フォワーダー)に依頼するのが一般的です。通関業者は輸出入の専門家なので、複雑な手続きを任せることができます。
出荷日が近づいたら、商品の梱包とラベル貼りを行います。韓国向けの製品には韓国語表示が必要なので、事前に用意したラベルを貼付します。そして、日本の税関に輸出申告を行い、許可が下りたら商品を船や飛行機に積み込みます。
商品が韓国に到着すると、韓国側の輸入業者が輸入通関手続きを行います。この際、日本で用意した証明書類が審査され、検査が必要な場合は韓国の検査機関でサンプル検査が実施されます。すべての手続きが完了すると、商品は韓国側の輸入業者に引き渡され、取引が完了します。
契約締結時の確認事項
韓国の輸入業者と契約を結ぶ際には、いくつか重要な確認事項があります。これらを契約段階で明確にしておかないと、後でトラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。
まず、製品仕様の確認です。韓国の食品規格に適合しているか、使用している原材料や添加物が韓国で認められているかを双方で確認します。特に添加物については、日本では使用できても韓国では禁止されているものがあるため、原材料リストを韓国側に提示して事前チェックを受けるとよいでしょう。
次に、価格条件(インコタームズ)の設定です。インコタームズとは、売り手と買い手のどちらが輸送費用や保険料を負担するかを定めた国際的なルールです。よく使われるのは、FOB(本船渡し条件)やCIF(運賃・保険料込み条件)です。FOBの場合、日本の港で商品を船に積むまでが売り手の責任で、そこから先は買い手の負担になります。一方CIFでは、韓国の港までの運賃と保険料を売り手が負担します。
支払い条件も重要です。前払いなのか、商品到着後の後払いなのか、それとも信用状(L/C)を使うのかを決めます。信用状は銀行が支払いを保証する仕組みで、初めての取引相手と商売する際に安心です。支払い通貨(円建てかウォン建てか)や支払期限も明確にしておきましょう。
さらに、納期と輸送方法の確認が必要です。船便は安価ですが時間がかかり、航空便は高額ですが速く届きます。商品の性質(鮮度が重要か、大量輸送が必要か)に応じて最適な方法を選びます。また、納期に遅れた場合のペナルティについても契約書に盛り込むことがあります。
最後に、韓国側の輸入業者が必要な許可や登録を持っているかを確認します。韓国で食品を輸入するには、輸入業者側も食品輸入業の登録が必要です。特に健康機能食品やアルコール飲料など、特別な許可が必要な品目の場合は、相手がその許可を持っているかを事前に確かめましょう。
韓国での輸入通関と到着後の確認
商品が韓国に到着すると、韓国側の輸入業者が輸入通関手続きを開始します。輸入通関では、韓国の税関が提出された書類をチェックし、場合によっては実際の商品を検査します。この段階でスムーズに通関できるよう、日本側で準備した書類に不備がないことが重要です。
韓国税関に提出する主な書類は、インボイス(商業送り状)、パッキングリスト(梱包明細書)、船荷証券(B/L)または航空貨物運送状(AWB)、原産地証明書、そして品目に応じた各種証明書(放射性物質検査証明書、衛生証明書など)です。これらの書類は、日本側から輸入業者に送付しておく必要があります。
韓国の食品医薬品安全処(MFDS)は、輸入される食品に対してサンプリング検査を行う場合があります。検査が必要と判断されると、商品の一部がサンプルとして採取され、検査機関に送られます。検査項目は、放射性物質、残留農薬、重金属、微生物、食品添加物など多岐にわたります。検査結果が基準値以内であれば問題ありませんが、基準を超えた場合は輸入が認められず、返送または廃棄となります。
通関手続きには通常3日から1週間程度かかりますが、検査が入った場合はさらに時間がかかります。特に初めて輸出する製品や、過去に違反事例がある品目については、検査が行われる可能性が高くなります。納期に余裕を持たせるか、韓国側の輸入業者と密に連絡を取り合って進捗を確認しましょう。
通関が完了すると、商品は韓国側の輸入業者に引き渡されます。この時点で、日本側から送った商品の数量や状態に問題がないかを確認してもらいます。もし輸送中に破損や数量不足があった場合、すぐに報告を受けて対応する必要があります。特に鮮度が重要な食品の場合、到着後の温度管理や保管状況も確認しておくとよいでしょう。
また、初回輸出の後は、韓国市場での販売状況や消費者の反応をフィードバックしてもらうことが大切です。韓国の消費者の好みや、競合製品の動向などを把握することで、次回以降の輸出戦略を改善できます。長期的な取引関係を築くためにも、輸出後のコミュニケーションを大切にしましょう。
韓国食品輸出規制|施設登録と事業者登録
韓国に食品を輸出する際、多くの場合、製造施設や事業者の登録が必要になります。これは韓国政府が輸入食品の安全性を確保するために設けている制度で、登録されていない施設からの食品は原則として輸入できません。施設登録と事業者登録は別々の手続きであり、それぞれ要件や手順が異なります。
施設登録は、食品を製造・加工する工場や施設が韓国の基準を満たしていることを証明するものです。一方、事業者登録は、その施設を運営する会社が輸出事業者として韓国に登録することを指します。どちらの登録が必要かは、輸出する食品の種類によって決まります。
この章では、どんな食品カテゴリーで施設登録が必要なのか、登録の申請方法はどうすればいいのか、必要な書類は何かを詳しく説明していきます。登録手続きには時間がかかることもあるため、余裕を持って準備を進めることが大切です。
施設登録が必要となる食品カテゴリー
韓国への食品輸出で施設登録が義務付けられているのは、主に以下のカテゴリーです。まず、水産物については、冷凍水産物や水産加工品を製造する施設の登録が必要です。特に、生食用のかきや貝類、魚介類の加工品などは、衛生管理が厳しく求められるため、施設が韓国の基準を満たしていることを証明しなければなりません。
畜産物も施設登録が必須の品目です。牛肉、豚肉、鶏肉などの食肉や、それらを使った加工品(ハム、ソーセージなど)、さらに卵や卵加工品を輸出する場合、製造施設が韓国食品医薬品安全処(MFDS)に登録されている必要があります。畜産物は伝染病のリスクがあるため、施設の衛生状態や管理体制が厳格に審査されます。
健康機能食品(機能性を謳った食品)も施設登録の対象です。健康機能食品として韓国で販売するには、製造施設がGMP(適正製造規範)基準を満たしていることが求められます。日本の特定保健用食品や機能性表示食品を韓国に輸出する場合も、この登録が必要になる可能性があります。
一方、一般的な加工食品(調味料、菓子、飲料など)については、施設登録は原則不要です。ただし、韓国側が特に指定した品目や、過去に食品事故が多発した品目については、登録が求められることがあります。また、乳製品については、牛乳やチーズなどを製造する施設の登録が必要となる場合があるため、事前に確認が必要です。
施設登録の要否は、韓国食品医薬品安全処の公式サイトや、日本の農林水産省、JETROなどの情報を参照して確認しましょう。不明な場合は、韓国側の輸入業者や専門のコンサルタントに相談するのも有効です。
輸出事業者登録の申請方法
施設登録とは別に、韓国に食品を輸出する事業者自身も登録が必要な場合があります。輸出事業者登録は、日本側で行う手続きで、主に農林水産省や関連機関に申請します。この登録により、輸出事業者として認められ、韓国側に提出する証明書の発行が可能になります。
輸出事業者登録の申請方法は、輸出する食品の種類によって異なります。たとえば、水産物を輸出する場合、水産庁が定める輸出水産食品取扱事業者の登録が必要です。申請は、事業者の所在地を管轄する都道府県の水産担当部署に行います。申請書には、事業者の名称、所在地、代表者名、取り扱う水産物の種類などを記載します。
畜産物の場合は、農林水産省の動物検疫所に輸出食肉取扱施設としての認定を受ける必要があります。この認定を受けた施設のみが、韓国向けの畜産物を輸出できます。認定には、施設の衛生管理体制が国際基準(HACCP)を満たしていることが求められます。
加工食品の場合、一般的には事業者登録は不要ですが、韓国側が求める証明書(衛生証明書など)を発行してもらうために、保健所や商工会議所に事業者情報を登録しておくとスムーズです。また、有機食品(オーガニック食品)を輸出する場合は、日本の有機JAS認証を取得し、登録認証機関に事業者として登録する必要があります。
申請から登録完了までの期間は、通常1か月から3か月程度かかります。審査では、施設の衛生状態や管理体制、過去の法令遵守状況などが確認されます。場合によっては、担当者が実際に施設を訪問して現地調査を行うこともあります。登録が完了すると、登録証明書が発行され、この証明書を韓国側に提出することで、輸出が可能になります。
登録に必要な書類と提出先
施設登録や事業者登録を申請する際には、さまざまな書類の提出が求められます。必要な書類は登録の種類や品目によって異なりますが、共通して求められるものがいくつかあります。
まず、申請書です。申請書には事業者の基本情報(会社名、住所、代表者名、連絡先)、施設の情報(所在地、設備の概要、製造能力)、取り扱う食品の種類などを記載します。申請書の様式は、提出先の機関(農林水産省、水産庁、動物検疫所など)のウェブサイトからダウンロードできます。
次に、施設の平面図や設備のリストが必要です。平面図には、原料の受け入れエリア、加工エリア、包装エリア、保管エリアなどを明記し、衛生管理がどのように行われているかを示します。また、使用している機械設備(冷凍庫、加熱機器、検査機器など)のリストも提出します。
衛生管理マニュアルも重要な書類です。HACCP(危害分析重要管理点)に基づいた衛生管理計画書を作成し、製造工程の各段階でどのように食品の安全性を確保しているかを説明します。清掃手順、従業員の衛生教育、温度管理記録などの文書も含まれます。
さらに、営業許可証や食品製造業の許可証のコピーも必要です。これらは、日本国内で合法的に食品製造業を営んでいることを証明するものです。また、会社の登記簿謄本や、代表者の身分証明書のコピーを求められることもあります。
提出先は、輸出する食品の種類によって異なります。水産物の場合は都道府県の水産担当部署または水産庁、畜産物の場合は農林水産省の動物検疫所、健康機能食品の場合は韓国食品医薬品安全処に直接または代行業者を通じて提出します。一般的な加工食品で衛生証明書が必要な場合は、地元の保健所や商工会議所が窓口となります。
申請後、審査には通常1か月から3か月かかりますが、不備があれば追加書類の提出を求められ、さらに時間がかかることがあります。したがって、輸出開始の予定日から逆算して、余裕を持って申請することが大切です。登録が完了すると、登録番号が発行され、この番号を韓国向けの輸出書類に記載することになります。
韓国食品輸出に必要な証明書と書類
韓国に食品を輸出する際には、さまざまな証明書や書類を準備する必要があります。これらの書類は、食品の安全性や品質を証明し、韓国の税関や検査機関に提出するためのものです。書類に不備があると、通関が遅れたり、最悪の場合は輸入が認められなかったりするため、正確に準備することが非常に重要です。
必要な証明書は、輸出する食品の種類によって異なります。すべての食品に共通して必要な書類もあれば、特定の品目だけに求められる証明書もあります。また、証明書の発行には時間がかかるものもあるため、余裕を持って申請することが大切です。
この章では、韓国への食品輸出で必要となる主な証明書と書類について、それぞれの取得方法や発行機関、注意点を詳しく解説していきます。書類の準備を計画的に進めることで、スムーズな輸出が実現します。
放射性物質検査証明書の取得方法
韓国への食品輸出で最も重要な証明書の一つが、放射性物質検査証明書です。福島原発事故以降、韓国は日本から輸入される食品に対して放射性物質の検査を義務付けており、この証明書がないと輸出できません。対象となるのは、すべての水産物と一部の農産物、加工食品です。
証明書を取得するには、まず農林水産省が認定した検査機関で放射性物質検査を受ける必要があります。検査機関は全国に複数あり、農林水産省のウェブサイトで確認できます。検査では、放射性セシウム(セシウム134と137)と放射性ヨウ素131が測定されます。韓国の基準値は一般食品で100ベクレル/kg以下、飲料水や乳児用食品ではさらに低い基準が適用されます。
検査の申し込みは、サンプルを検査機関に送付して行います。サンプルの量は通常1kg程度必要で、製品の代表的な部分を採取します。検査には通常3日から1週間程度かかりますが、検査機関の混雑状況によってはもっと時間がかかることもあります。特に輸出が集中する時期(年末年始や特定の漁期)は、早めに申し込むことをお勧めします。
検査結果が基準値以下であれば、検査機関から検査証明書が発行されます。この証明書には、検査日、検査結果(ベクレル値)、製品名、製造者名、ロット番号などが記載されます。証明書は日本語と英語で記載されたものが一般的ですが、韓国語の証明書が求められる場合もあるため、事前に韓国側の輸入業者に確認しましょう。
注意すべき点は、証明書の有効期限です。検査証明書は通常、検査日から一定期間(多くの場合1年間)有効ですが、韓国側が輸入時に新しい証明書を求めることもあります。また、同じ製品でもロットが変われば新たに検査が必要になる場合があります。定期的に輸出する場合は、検査のスケジュールを計画的に管理することが重要です。
産地証明書・衛生証明書の発行手続き
産地証明書は、食品がどこで生産・加工されたかを証明する書類です。韓国は特定の地域(福島県など8県)からの水産物輸入を禁止しているため、それ以外の地域で生産されたことを証明する必要があります。産地証明書は、水産物だけでなく、農産物や加工食品にも求められる場合があります。
水産物の産地証明書は、都道府県の水産担当部署または漁業協同組合が発行します。申請には、漁獲証明書や水揚げ証明書、加工施設の所在地を示す書類などが必要です。証明書には、魚種、漁獲海域、水揚げ港、加工地などが記載されます。特に、複数の地域から仕入れた原料を使っている場合は、それぞれの産地を明確に示す必要があります。
農産物の産地証明書は、JA(農業協同組合)や地方自治体が発行することが多いです。証明書には、作物の種類、生産地、生産者名、収穫時期などが記載されます。有機栽培の農産物の場合は、有機JAS認証の証明書も併せて提出することで、韓国での有機食品としての販売が可能になります。
衛生証明書は、食品が衛生的に製造・加工されており、人の健康に害を及ぼす恐れがないことを証明する書類です。衛生証明書の発行機関は食品の種類によって異なります。水産物の場合は都道府県の保健所、畜産物の場合は動物検疫所、一般的な加工食品の場合は保健所または商工会議所が発行します。
衛生証明書の申請には、製品の検査結果(微生物検査、残留農薬検査など)、製造工程の説明書、衛生管理マニュアルなどの提出が求められることがあります。また、施設が食品衛生法に基づく営業許可を取得していることが前提となります。証明書には、製品名、製造者名、製造日、賞味期限、製造施設の所在地などが記載されます。
産地証明書や衛生証明書の発行には、通常1週間から2週間程度かかります。初めて申請する場合は、発行機関に事前に相談して、必要な書類や手順を確認しておくとスムーズです。また、証明書の様式が韓国側の要求と合っているかも確認しましょう。場合によっては、韓国語の翻訳文を添付する必要があります。
通関時に必要な書類一覧(インボイス・パッキングリスト等)
韓国への食品輸出では、通関時に提出する書類がいくつかあります。これらは商業取引の基本的な書類であり、税関が輸入される商品の内容や価値を確認するために必要です。主な書類は以下の通りです。
まず、インボイス(商業送り状)です。インボイスは売買契約の内容を記載した書類で、商品名、数量、単価、合計金額、支払い条件、売り手と買い手の情報などが含まれます。インボイスは通常、売り手(日本側の輸出者)が作成し、買い手(韓国側の輸入業者)に送付します。韓国の税関は、このインボイスをもとに輸入関税を計算します。
次に、パッキングリスト(梱包明細書)です。パッキングリストには、商品がどのように梱包されているか、各箱の内容、重量、容積などが記載されます。複数の種類の商品を同時に輸出する場合、どの箱に何が入っているかを明確にすることで、韓国側での荷受けや検査がスムーズになります。
船荷証券(Bill of Lading, B/L)または航空貨物運送状(Air Waybill, AWB)も必要です。これらは運送会社が発行する書類で、商品が確かに船や飛行機に積み込まれたことを証明します。B/Lは船便の場合、AWBは航空便の場合に使われます。これらの書類は、商品の所有権を証明するものでもあり、韓国側の輸入業者が商品を受け取る際に必要です。
原産地証明書(Certificate of Origin)は、商品が日本で生産されたことを証明する書類です。これにより、日韓の貿易協定に基づく関税優遇措置を受けられる場合があります。原産地証明書は、商工会議所が発行します。申請には、製品の製造工程や使用原材料に関する情報が必要です。
これらの基本書類に加えて、食品輸出特有の証明書(放射性物質検査証明書、産地証明書、衛生証明書など)も一緒に提出します。すべての書類は、日本語だけでなく英語または韓国語の翻訳を添付することが推奨されます。特に、韓国の税関職員が内容を理解しやすいよう、主要な情報は韓国語で記載されているとスムーズです。
書類の準備では、記載内容に矛盾がないことが重要です。たとえば、インボイスに記載された商品名と数量が、パッキングリストや証明書の内容と一致していなければなりません。不一致があると、税関で書類の訂正を求められ、通関が遅れる原因となります。したがって、すべての書類を作成したら、最終チェックを行い、整合性を確認しましょう。
韓国の食品関連規制|重金属・汚染物質・ラベル表示
韓国に食品を輸出する際、食品そのものの安全性に関する規制も厳しく定められています。重金属や汚染物質の含有量、使用できる食品包装材料、そして消費者向けのラベル表示など、細かい基準をクリアする必要があります。これらの規制は、韓国の消費者の健康を守るために設けられており、違反すると輸入が認められないだけでなく、罰則の対象となることもあります。
日本国内の基準と韓国の基準は異なる場合が多いため、日本で問題なく販売できている製品でも、韓国向けには仕様変更が必要になることがあります。特に、食品添加物や表示ラベルについては、事前に十分な確認と準備が必要です。
この章では、韓国の食品安全規制のうち、重金属・汚染物質の基準、食品包装の要件、ラベル表示のルールについて詳しく解説します。これらの規制を正しく理解し、適切に対応することで、韓国市場での販売を実現できます。
重金属および汚染物質の基準値
韓国では、食品中に含まれる重金属や汚染物質について、厳格な基準値が設定されています。これらの基準を超えた食品は、人の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、輸入が認められません。主な規制対象となる物質は、鉛、カドミウム、水銀、ヒ素などの重金属です。
鉛は、土壌や水に含まれることがあり、農産物や水産物に蓄積される可能性があります。韓国では、食品の種類ごとに鉛の基準値が定められており、たとえば穀物では0.2mg/kg以下、魚介類では0.5mg/kg以下といった具合です。特に、貝類や海藻類は鉛を蓄積しやすいため、注意が必要です。
カドミウムも同様に、農作物や魚介類に含まれることがあります。米や小麦などの穀物、葉物野菜、イカやタコなどの頭足類は、カドミウム濃度が高くなりやすい食品です。韓国の基準値は、たとえば米で0.2mg/kg以下、イカで2.0mg/kg以下などとなっています。
水銀は、主に魚介類に含まれる重金属で、特に大型の魚(マグロ、カジキなど)に蓄積されやすいことが知られています。韓国では、一般の魚介類で総水銀0.5mg/kg以下、メチル水銀0.3mg/kg以下という基準があります。妊婦や子どもが摂取する可能性がある食品については、さらに厳しい基準が適用されることもあります。
ヒ素は、米や海藻類に含まれることがあります。特に、ひじきなどの海藻は無機ヒ素を多く含むことが知られており、韓国でも基準値が設定されています。米の場合、無機ヒ素で0.2mg/kg以下という基準があります。
これらの重金属のほかにも、残留農薬、動物用医薬品、マイコトキシン(カビ毒)、ダイオキシン類などの汚染物質についても基準値が定められています。残留農薬については、使用された農薬の種類ごとに基準値があり、複数の農薬が検出された場合はそれぞれが基準値以下である必要があります。
自社製品がこれらの基準を満たしているかを確認するには、日本国内の検査機関で分析を依頼するのが確実です。検査結果が基準値以下であれば、韓国への輸出が可能です。もし基準値を超えている場合は、原料の産地変更や製造工程の見直しなど、対策を講じる必要があります。
食品包装・容器の品質基準
韓国では、食品を包装する容器や包装材料についても品質基準が定められています。食品に直接触れる包装材料から、有害物質が溶出して食品を汚染することを防ぐためです。包装材料が基準を満たしていないと、いくら食品自体が安全でも輸入が認められません。
韓国の食品包装に関する規制は、「食品用器具及び容器・包装の基準及び規格」によって定められています。この規制では、プラスチック、紙、金属、ガラス、ゴムなど、材質ごとに使用できる原材料や添加物、溶出試験の基準などが細かく規定されています。
プラスチック容器については、使用できる樹脂の種類(ポリエチレン、ポリプロピレン、PETなど)や、添加できる可塑剤、着色料、安定剤などが限定されています。また、食品に接触した際に有害物質が溶け出さないよう、溶出試験の基準値が設定されています。たとえば、重金属(鉛、カドミウム)の溶出量や、蒸発残留物(樹脂成分の溶出量)の上限が決められています。
紙製の包装材料についても、漂白剤や蛍光増白剤の使用に制限があります。また、印刷インキが食品に移行しないよう、食品接触面への印刷は禁止されているか、または食品安全性が確認されたインキのみ使用が認められています。
金属缶については、内面塗装に使用される塗料の成分や、缶のシーム(接合部)からの金属溶出が規制されています。特に、ビスフェノールA(BPA)などの化学物質については、近年規制が強化されており、代替材料の使用が推奨されています。
韓国向けに食品を輸出する際は、使用する包装材料が韓国の基準に適合しているかを確認する必要があります。日本国内で一般的に使われている包装材料でも、韓国では使用が認められていない添加物が含まれている可能性があります。包装材料メーカーに問い合わせて、韓国向けの適合証明書を入手するか、または韓国の基準に適合した材料に変更することを検討しましょう。
また、包装材料だけでなく、包装方法にも注意が必要です。たとえば、真空包装や気密包装を行う場合、包装後の微生物の増殖を防ぐための適切な温度管理や賞味期限の設定が求められます。これらの情報は、製品のラベルや添付書類に記載する必要があります。
韓国語ラベル表示の要件と注意点
韓国に食品を輸出する際、最も重要な準備の一つが韓国語でのラベル表示です。韓国の食品表示法では、消費者向けに販売される食品には韓国語での表示が義務付けられており、表示がない、または不適切な表示の製品は販売できません。
ラベルに必ず記載しなければならない項目は以下の通りです。まず、製品名です。製品の種類が消費者に分かるよう、具体的な名称を記載します。たとえば、単に「魚」ではなく「サバの味噌煮」のように具体的に表示します。
次に、原材料名と含有量です。すべての原材料を含有量の多い順に記載します。アレルギー物質(卵、乳、小麦、そば、落花生、エビ、カニなど)が含まれる場合は、それを明確に表示する必要があります。韓国では、日本とは異なるアレルギー表示義務品目があるため、注意が必要です。
内容量も必須です。グラム(g)またはミリリットル(ml)で表示します。また、固形物と液体が混在する製品(缶詰など)の場合は、固形物の量(固形量)も表示します。
賞味期限または消費期限の表示も義務です。「○○年○○月○○日まで」という形式で、年月日を明確に記載します。また、保存方法(冷蔵保存、常温保存など)や開封後の取り扱い方法も記載することが推奨されます。
製造者または輸入者の情報も必要です。会社名、住所、電話番号を記載します。日本から輸出する場合、日本側の製造者情報と、韓国側の輸入業者情報の両方を記載することが一般的です。
栄養成分表示も義務付けられています。熱量(カロリー)、炭水化物、タンパク質、脂質、ナトリウムの5項目は必須で、さらに飽和脂肪、トランス脂肪、糖類、コレステロールなども表示が推奨されます。栄養成分は100gまたは100ml当たり、あるいは1食分当たりで表示します。
原産国表示も忘れてはなりません。「原産国:日本」または「Made in Japan」のように明記します。加工食品の場合、主要原材料の原産地も表示が求められることがあります。
ラベル作成時の注意点として、文字の大きさがあります。韓国では、主要な表示事項(製品名、賞味期限など)について、最低文字サイズが規定されています。小さすぎる文字は認められないため、読みやすいサイズで印刷しましょう。
また、虚偽または誇大な表示は禁止されています。たとえば、科学的根拠がないのに「健康に良い」「病気が治る」といった表現を使うと、法律違反となります。健康機能食品として機能性を表示する場合は、韓国の食品医薬品安全処の承認を受けた内容のみ表示できます。
ラベルは、製品の包装に直接印刷するか、シールを貼付する形で表示します。日本から輸出する前に韓国語ラベルを貼付しておくのが理想ですが、韓国到着後に輸入業者がラベルを貼る場合もあります。いずれにしても、ラベルの内容は事前に韓国側と十分に確認し、法律に適合していることを確かめましょう。
まとめ|韓国への食品輸出を成功させるために
韓国への食品輸出は、近隣国であるという地理的優位性と、日本食への高い関心から、多くの可能性を秘めた市場です。しかし、成功するためには、韓国独自の規制や手続きを正確に理解し、適切に対応することが不可欠です。この記事では、輸出規制の全体像から、具体的な手続き、必要な書類、食品安全基準まで、幅広い情報を解説してきました。
韓国への食品輸出で最も重要なのは、事前の準備と計画です。自社製品が輸出可能かどうかの確認、必要な登録や証明書の取得、ラベル表示の準備など、やるべきことは多岐にわたります。これらを計画的に進めることで、スムーズな輸出が実現します。
この章では、輸出準備の全体像を振り返り、確認すべきポイントをチェックリスト形式でまとめます。また、困ったときに相談できる窓口や、さらに詳しい情報を得るための情報源も紹介します。これらを活用して、韓国市場での成功を目指しましょう。
手続きチェックリスト
韓国への食品輸出をスムーズに進めるために、以下のチェックリストを活用してください。各段階で必要な作業を確認し、漏れなく準備を進めましょう。
輸出前の確認事項 □ 自社製品が韓国の輸入禁止品目に該当しないか確認した □ 放射性物質規制の対象地域(8県)で生産・加工していないか確認した □ 韓国で使用が禁止されている食品添加物を使用していないか確認した □ 施設登録や事業者登録が必要な品目かどうか確認した
登録と証明書の準備 □ 必要な場合、施設登録の申請を完了した □ 必要な場合、輸出事業者登録を完了した □ 放射性物質検査を受け、証明書を取得した □ 産地証明書または衛生証明書を取得した □ 原産地証明書を取得した(関税優遇を受ける場合)
製品と包装の準備 □ 重金属や汚染物質の基準値を満たしているか検査した □ 食品包装材料が韓国の基準に適合しているか確認した □ 韓国語ラベルを作成し、必須表示事項をすべて記載した □ 栄養成分表示を正確に記載した □ アレルギー表示が適切にされているか確認した
輸出書類の準備 □ インボイス(商業送り状)を作成した □ パッキングリスト(梱包明細書)を作成した □ 船荷証券(B/L)または航空貨物運送状(AWB)を取得した □ すべての証明書のコピーを準備した □ 必要に応じて書類の韓国語翻訳を準備した
輸出手続き □ 信頼できる韓国側の輸入業者と契約を結んだ □ 輸送方法(船便または航空便)を決定し、手配した □ 通関業者(フォワーダー)に手続きを依頼した □ 日本の税関に輸出申告を行った □ 商品を適切に梱包し、出荷した
輸出後のフォロー □ 韓国での輸入通関状況を確認した □ 韓国側の輸入業者から商品到着の連絡を受けた □ 初回輸出の結果や市場の反応をフィードバックしてもらった □ 次回輸出に向けた改善点を整理した
このチェックリストを印刷して、輸出プロジェクトの管理に活用してください。各項目を確実にクリアすることで、トラブルを未然に防ぎ、成功率を高められます。
相談窓口と参考情報源
韓国への食品輸出について疑問や不安がある場合、専門機関に相談することをお勧めします。以下に、役立つ相談窓口と情報源を紹介します。
JETRO(日本貿易振興機構) JETROは、日本企業の海外展開を支援する公的機関です。韓国への食品輸出に関する規制情報、市場動向、商談会の情報などを提供しています。ウェブサイトには国別・品目別の詳細な輸出ガイドがあり、無料でダウンロードできます。また、全国の事務所で輸出相談を受け付けています。
農林水産省 農林水産省は、日本の農林水産物・食品の輸出促進を担当しています。輸出証明書の発行手続き、施設登録の方法、諸外国の規制情報などを提供しています。特に、「諸外国・地域の規制への対応」のページでは、韓国を含む各国の最新規制情報が随時更新されています。
各都道府県の国際課または商工労働部 地方自治体の多くは、地元企業の輸出支援を行っています。特に、水産物や農産物の輸出では、都道府県の水産課や農政課が証明書の発行や相談対応を行っています。地元の状況に詳しいため、具体的なアドバイスを得られます。
韓国食品医薬品安全処(MFDS) 韓国の食品規制を所管する政府機関です。公式ウェブサイト(韓国語・英語)では、食品の輸入規制、施設登録、表示基準などの最新情報が公開されています。直接問い合わせることも可能ですが、韓国語または英語でのコミュニケーションが必要です。
KOTRA(大韓貿易投資振興公社) 韓国政府の貿易促進機関で、日本にも事務所があります。韓国市場への参入を支援しており、輸入規制の情報提供や、韓国の輸入業者とのマッチング支援などを行っています。
商工会議所 地元の商工会議所では、原産地証明書の発行や、輸出に関する相談を受け付けています。特に、初めて輸出する企業向けのセミナーや研修会も開催されています。
貿易コンサルタント・通関業者 専門的なサポートが必要な場合は、貿易コンサルタントや通関業者に依頼するのも有効です。これらの専門家は、輸出手続きの代行、書類作成の支援、規制対応のアドバイスなどを提供しています。費用はかかりますが、時間と労力を大幅に削減できます。
参考ウェブサイト
- JETRO 韓国向け輸出情報: https://www.jetro.go.jp/world/asia/kr/
- 農林水産省 輸出支援: https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/
- 韓国食品医薬品安全処: https://www.mfds.go.kr/ (韓国語・英語)
これらの情報源を活用し、不明点は早めに専門家に相談することで、安心して韓国への食品輸出を進められます。韓国市場は日本の食品にとって大きな可能性を秘めた市場です。適切な準備と手続きを経て、ぜひ輸出を成功させてください。