海外バイヤーから引き合いがあったものの、英語でのラベル作成や書類準備に戸惑っていませんか。

食品輸出では、輸出先国の法規制に適合した英語表示が必須です。特に原材料名や添加物のINS番号など、専門的な英語表記が求められます。

本記事では、食品輸出における英語対応の全体像を分かりやすく解説しています。ラベルに記載すべき項目、衛生証明書などの公的書類の準備方法、そして海外バイヤーへの提案資料作成のポイントまで、実務で必要な情報を網羅しました。

📋 食品輸出の英語対応フロー

1️⃣
輸出決定
対象国・商品の選定
2️⃣
規制確認
各国の表示要件調査
3️⃣
英語化作業
ラベル・書類の作成
4️⃣
検証
現地確認・修正
輸出開始
本格展開

食品輸出で英語が必要になる3つの場面

食品を海外に輸出する際、英語対応が求められる場面は大きく分けて3つあります。

それぞれの場面で必要となる英語表記の内容や準備方法について、具体的に見ていきましょう。初めて輸出に取り組む方でも分かりやすいよう、実務で直面するポイントを中心に解説します。

輸出先国の規制に対応したラベル表示

食品を海外で販売するには、その国の法律に従ったラベル表示が必須です。

米国であれば英語表示が義務付けられており、製品名・原材料名・栄養成分・アレルゲン情報などを全て英語で記載しなければなりません。一方、中国や韓国では現地語(中国語・韓国語)が基本です。

特に重要なのは、日本国内で使っているラベルをそのまま使えないという点です。

各国で表示義務のある項目や表示方法が異なるため、輸出先国の規制に合わせた専用ラベルを作成する必要があります。例えば米国では「製造者の住所」を英語で明記し、乳製品を含む場合は”Contains: Milk”といったアレルゲン警告を付けることが求められます。

通関・検疫で求められる書類作成

食品を輸出する際、税関や検疫所に提出する公的書類も英語で作成する場面が多くあります。

代表的なものが衛生証明書(Sanitary Certificate)と原産地証明書(Certificate of Origin)です。衛生証明書は、食品が安全基準を満たしていることを証明する書類で、畜産物や水産物を輸出する場合に特に必要となります。原産地証明書は、その食品がどの国で製造されたかを証明するもので、関税優遇措置を受ける際にも使われます。

これらの証明書は日本の検疫所や商工会議所などが発行するので、メーカー側で英語の知識が無くても問題ありません。

なお、インボイス(送り状)やパッキングリスト(梱包明細書)といった商業書類も、国際取引では英語で作成するのが基本となっています。商品名・数量・価格・原材料などを英語で正確に記載する必要があり、誤りがあると通関で止められてしまうこともあります。

インボイス(送り状)やパッキングリスト(梱包明細書)はメーカーが準備することも多いので作れるようになっておきましょう。

海外バイヤーとの商談資料

海外展示会への出展や海外バイヤーとの商談では、英語のプレゼン資料が不可欠です。
展示会や商談会によっては通訳がいることもあります。

事前に準備しておく商品カタログには製品の特徴や原材料、製造工程などを英語で分かりやすく説明する必要があります。食品の場合、「どんな原料を使っているか」「添加物は何を使っているか」「アレルゲンは含まれているか」といった安全性に関する情報を正確に伝えることが信頼獲得の鍵となります。

「どの国に出せる」とすぐに答えられるようにしておくと商談もスムーズになりますよね。

価格表や取引条件(MOQ:最小注文数量、リードタイム:納期など)も英語で提示します。”FOB Tokyo”(東京港渡し価格)や”Payment terms: 30 days after shipment”(支払条件:出荷後30日)といった貿易用語を使いこなす必要があります。また、会社概要や品質管理体制についても英語で説明できる資料を用意しておくと、バイヤーからの信頼度が高まります。


食品輸出における英語ラベル表示

食品ラベルの英語表示は、輸出において最も重要な要素の一つです。各国で義務付けられている表示項目は異なりますが、基本的な構成要素は共通しています。ここでは、英語ラベルを作成する際に押さえておくべきポイントを詳しく解説します。

各国で義務付けられる表示項目

米国では、製品名(Product Name)、内容量(Net Weight)、原材料名(Ingredients)、栄養成分表示(Nutrition Facts)、製造者情報(Manufacturer Name and Address)、アレルゲン警告(Allergen Statement)が必須項目となっています。特に栄養成分表示は、エネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・ナトリウムなどを定められた書式で記載する必要があり、表示漏れがあると輸入できません。

一方、EU向けでは原材料名を含有量の多い順に記載し、添加物は用途名と物質名の両方を表示することが求められます。また、賞味期限の表記方法も国によって異なり、米国では”Best if used by…”(この日までに使うのが望ましい)という表現が推奨されていますが、EUでは”Best before…”が一般的です。中国や韓国では基本的に現地語表示が必須ですが、英語を併記することで消費者の理解を助けることができます。

原材料名の英語表記方法

原材料名の英語表記では、一般的な名称を使用することが基本です。例えば「小麦粉」は”Wheat flour”、「砂糖」は”Sugar”、「食塩」は”Salt”と表記します。ただし、日本独特の食材については、そのまま直訳すると伝わらない場合があるため注意が必要です。「片栗粉」であれば”Potato starch”、「本みりん」であれば”Sweet rice wine for cooking”のように、海外の消費者が理解できる表現に置き換えます。

原材料は含有量の多い順に並べるのが国際ルールです。また、加工助剤やキャリー・オーバーの添加物であっても、最終製品に残存している場合は表示する必要がある国もあります。複合原料(例:マヨネーズ)を使用している場合は、その構成成分まで分解して表示を求められることもあるため、輸出先国の規制を事前に確認しましょう。

添加物のINS番号と英語名称

食品添加物の英語表記は、国際的に統一された INS番号(International Numbering System)を使用すると便利です。例えば、保存料の「ソルビン酸」はINS 200、着色料の「カラメル色素」はINS 150といった具合です。これにより、言語が異なる国でも同じ添加物を特定できます。

米国では添加物の一般名称(例:”Succinic acid”コハク酸)での表示が求められますが、EUではINS番号と名称を併記するケースも多く見られます。中国では機能分類名と物質名の両方を表示する必要があり、「膨張剤(炭酸水素ナトリウム)」のように記載します。日本国内で使用できる添加物でも、輸出先国では未承認で使用禁止となっている場合があるため、事前に各国の添加物リストを確認することが重要です。

添加物の英語名称は、日本食品添加物協会や農林水産省が公開している「海外食品添加物早見表」などの資料を活用すると効率的です。これらの資料には、主要輸出国における添加物の使用可否や英語名称が一覧化されており、ラベル作成時の参考になります。

アレルゲン表示の英語対応

アレルゲン表示は食品安全において極めて重要です。米国では9大アレルゲン(卵・乳・小麦・落花生・木の実・大豆・魚類・甲殻類・ゴマ)の表示が義務付けられています。表示方法は2通りあり、原材料名の中で明示する方法と、”Contains: Milk, Wheat, Soy”のように別枠で列挙する方法があります。どちらの方法でも、消費者が一目で分かるよう明確に記載することが求められます。

輸出先国 指定数 主な指定アレルゲン 日本にない特殊項目
🇺🇸 米国 9 卵・乳・小麦・落花生・木の実・大豆・魚類・甲殻類・ゴマ ゴマ(2023年より追加)
🇪🇺 EU 14 グルテン含有穀物・甲殻類・卵・魚・落花生・大豆・乳・ナッツ類・セロリ・マスタード・ゴマ・亜硫酸塩・ルピナス・軟体動物 セロリ、マスタード、ルピナス
🇨🇳 中国 8 グルテン含有穀物・甲殻類・魚類・卵・落花生・大豆・乳・ナッツ類
🇰🇷 韓国 22 卵・乳・小麦・そば・落花生・大豆・サバ・カニ・エビ・豚肉・桃・トマト・亜硫酸塩・クルミ・鶏肉・牛肉・イカ・貝類・松の実・アワビ・牡蠣・ムール貝 松の実、桃、トマト、アワビ、牡蠣

EU向けでは14種類、中国では8種類、韓国では22種類といったように、各国で指定アレルゲンの数や種類が異なります。例えば韓国では「松の実」や「桃」「トマト」もアレルゲン表示対象となっており、日本の基準よりも幅広い品目をカバーしています。輸出先国ごとに表示対象を確認し、漏れのないよう注意しましょう。

また、製造ラインで別のアレルゲンを含む製品を扱っている場合、コンタミネーション(意図しない混入)の可能性を示す表示も推奨されています。”May contain traces of peanuts”(落花生の微量混入の可能性あり)といった注意書きを入れることで、アレルギー患者への配慮を示すことができます。


食品輸出に必要な英語書類の種類

食品輸出では、通関や検疫をクリアするために様々な公的書類が必要となります。これらの書類は英語で作成されることが多く、記載内容に不備があると輸出が遅れたり、最悪の場合は通関できないこともあります。ここでは、主要な書類について具体的に解説します。

📝 輸出書類準備チェックリスト

💡 ヒント: チェックボックスをクリックして準備状況を管理しましょう。輸出先国と品目により必要書類は異なります。

衛生証明書(Sanitary Certificate)

衛生証明書は、輸出する食品が安全基準を満たしていることを証明する公的書類です。特に畜産物(食肉・卵・乳製品など)や水産物を輸出する際に必須となります。日本では厚生労働省や農林水産省の検疫所が発行しており、証明書には英語で製品名・製造施設名・検査結果などが記載されます。

韓国向けの水産物輸出では「水産食品衛生証明書」が求められ、米国向けの食肉加工品には「輸出食肉衛生証明書」が必要です。これらの証明書には、製造施設が輸出先国の衛生基準を満たしていること、病原菌や有害物質が基準値以下であることなどが英語で明記されます。証明書の様式は輸出先国との間で協議されており、日本政府が定めたフォーマットに従って記入する必要があります。

申請には通常、製品の成分分析データや製造工程の説明資料を英語で提出する必要があります。初回申請時には施設の衛生管理体制(HACCPなど)についても英語で説明を求められる場合があるため、事前に準備しておくことをお勧めします。

原産地証明書(Certificate of Origin)の準備

原産地証明書は、製品がどの国で製造・生産されたかを証明する書類です。関税の優遇措置を受ける際や、輸出先国の規制で原産国の表示が義務付けられている場合に必要となります。日本では商工会議所や税関で発行でき、証明書には英語で製品名・数量・製造者情報・原産国(Japan)などが記載されます。

特に注意が必要なのは、日本産食品に対する放射性物質規制を実施している国への輸出です。韓国では日本産食品すべてに対して都道府県発行の産地証明書の添付を義務付けており、「この製品は○○県産原料で製造された」ことを英語で証明する必要があります。中国でも10都県以外の地域で生産されたことを示す原産地証明書が必須となっています。

原産地証明書の申請には、インボイスや製造証明などの関連書類を提出します。加工食品の場合は、主要原料の産地も記載を求められることがあるため、原料調達先の情報を英語で整理しておくとスムーズです。

インボイス・パッキングリスト

インボイス(Commercial Invoice)は国際取引における送り状で、商品の明細・価格・取引条件などを記載した重要書類です。英語での記載が基本となり、Product Description(商品説明)、Quantity(数量)、Unit Price(単価)、Total Amount(合計金額)などの項目を明確に記入します。

食品のインボイスでは、商品名を英語で正確に記載することが重要です。例えば「醤油」であれば”Soy Sauce”、「緑茶」であれば”Green Tea”といった具合です。また、HS Code(商品分類コード)も記載し、税関での審査をスムーズにします。決済条件も”Payment Terms: T/T 30 days”(電信送金・30日後払い)のように英語で明記します。

パッキングリスト(Packing List)は梱包明細書で、貨物の内容や梱包方法を詳しく記載します。Box Number(箱番号)、Gross Weight(総重量)、Net Weight(正味重量)、Dimensions(寸法)などを英語で表記し、通関時の検査に備えます。冷蔵品や冷凍品の場合は、”Keep Refrigerated”(要冷蔵)や”Keep Frozen”(要冷凍)といった取り扱い注意事項も英語で記載しておくと親切です。

検疫証明書

植物由来の食品(穀物・豆類・生鮮野菜・果物・茶葉など)を輸出する場合、植物検疫証明書(Phytosanitary Certificate)が必要です。これは日本の植物防疫所が発行する英語の公的書類で、病害虫が付着していないことを証明します。証明書には品名(Product Name)、原産地(Place of Origin)、検査実施状況(Inspection Details)などが英語で記載されます。

台湾向けの農産物や香港向けの生鮮食品など、多くの国で植物検疫証明書の添付が輸入の条件となっています。申請時には、輸出する食品の詳細情報(品種・数量・栽培地など)を英語で提供する必要があります。また、輸出先国によっては特定の病害虫について追加検査を求められる場合もあるため、事前に要件を確認しましょう。

動物由来の食品については、前述の衛生証明書に加えて、動物検疫証明書(Animal Health Certificate)が求められることもあります。これは家畜伝染病の清浄国であることや、適切なと畜検査を経た製品であることを英語で証明するものです。


海外バイヤーへの英語プレゼン資料作成のポイント

海外展示会や商談の場では、自社製品の魅力を英語で効果的に伝える必要があります。ここでは、食品メーカーが用意すべき英語プレゼン資料の作成ポイントを、実務的な視点から解説します。

商品カタログの英語化で押さえるべき項目

商品カタログには、製品の基本情報を分かりやすくまとめます。まず Product Name(製品名)とProduct Description(製品説明)を簡潔に記載しましょう。例えば日本茶であれば”Premium Japanese Green Tea – Rich flavor with natural umami taste”(プレミアム日本茶 – 自然な旨味が豊かな風味)といった具合です。

原材料情報も重要です。Ingredients(原材料)の項目では、すべての原料を英語で明記します。特に海外バイヤーが気にするのは、添加物の有無や遺伝子組み換え原料の使用状況です。”No artificial colors or preservatives”(着色料・保存料不使用)、”Non-GMO ingredients”(遺伝子組み換え原料不使用)といった情報を明示すると、製品の安全性をアピールできます。

アレルゲン情報も必ず記載しましょう。”Allergen Information: Contains wheat, soy and sesame”(アレルゲン情報:小麦・大豆・ゴマを含む)のように、主要アレルゲンを英語で列挙します。また、Shelf Life(賞味期限)や Storage Conditions(保存条件)も英語で表記し、”Best before 12 months from manufacturing date. Store in a cool, dry place.”(製造日から12ヶ月。冷暗所に保存)のように具体的に示します。

品質管理体制を英語で説明する方法

海外バイヤーは、日本製品の品質管理体制に強い関心を持っています。Quality Control(品質管理)の項目では、自社の取り組みを英語で説明しましょう。HACCPやISO22000などの国際認証を取得している場合は、”Our factory is certified with HACCP and ISO22000″(当社工場はHACCPおよびISO22000認証を取得しています)と明記します。

製造工程の衛生管理についても、”We maintain strict hygiene standards throughout the production process”(製造工程全体で厳格な衛生基準を維持しています)といった表現で説明します。また、トレーサビリティ体制があれば、”Full traceability from raw materials to finished products”(原材料から最終製品まで完全なトレーサビリティ)とアピールできます。

残留農薬や重金属の検査についても触れると良いでしょう。”Regular testing for pesticide residues and heavy metals to ensure safety”(安全性確保のため、残留農薬・重金属の定期検査を実施)といった情報は、バイヤーの信頼を得る上で効果的です。

価格表・取引条件の英語表記

価格表(Price List)では、Product Code(製品コード)、Product Name(製品名)、Package Size(包装サイズ)、Unit Price(単価)を明確に記載します。価格条件も英語で示す必要があり、”FOB Tokyo Port”(東京港本船渡し)や”CIF Buyer’s Port”(買主指定港の運賃・保険料込み価格)といった貿易条件を使います。

最小注文数量はMOQ(Minimum Order Quantity)として記載します。”MOQ: 1 container (approximately 1,000 cartons)”(最小注文数量:コンテナ1本分・約1,000カートン)のように具体的に示します。リードタイム(納期)も重要で、”Lead Time: 30-45 days after order confirmation”(納期:注文確定後30〜45日)と記載しましょう。

支払い条件(Payment Terms)は、国際取引では特に慎重に設定します。初回取引では”Payment: 30% deposit, 70% before shipment via T/T”(支払い:電信送金で30%前払い、出荷前に70%)といった条件が一般的です。L/C(信用状)決済の場合は、”Payment: By irrevocable L/C at sight”(取消不能一覧払い信用状による支払い)と記載します。


食品輸出の英語対応でよくある質問(FAQ)

食品輸出の英語対応について、実務でよく寄せられる質問とその回答をまとめました。これから輸出を始める方が疑問に思うポイントを中心に、分かりやすく解説します。

英語ラベルは日本語と併記が必要か?

輸出先国によって対応が異なります。米国向けの場合、販売用のパッケージには英語表示が義務付けられていますが、日本語を併記することは可能です。ただし、法定表示事項(原材料・栄養成分・アレルゲンなど)については、英語で完全に記載されている必要があります。日本語を残す場合は、英語情報と矛盾しないよう注意しましょう。

中国や韓国では、現地語(中国語・韓国語)での表示が必須となっており、英語は補助的な併記という位置づけです。台湾では中国語が基本ですが、英語情報を併記する場合は中国語と同等以上の内容を記載する必要があります。EUでは各国の公用語での表示が求められますが、英語はEU域内で広く理解されるため、英語単独での表示が認められるケースもあります。

実務的には、輸出先国の公用語と英語の両方を併記しておくと、現地の流通業者や消費者の理解を助けることができます。ただし、ラベルのスペースには限りがあるため、必須項目を優先し、補足情報はQRコードで詳細ページに誘導するなどの工夫も有効です。

翻訳費用の相場はどのくらいか?

食品ラベルや書類の英語翻訳費用は、文字数や専門性によって大きく変わります。一般的な商品パッケージ(原材料・栄養成分・アレルゲン情報など)の翻訳であれば、1製品あたり2万円〜5万円程度が相場です。ただし、添加物の専門用語や法規制に関する正確な表現が必要な場合は、食品専門の翻訳者に依頼することをお勧めします。

💰 食品輸出関連の翻訳費用目安

商品パッケージ・ラベル
原材料・栄養成分・アレルゲン情報など
2〜5万円
/1製品
商品カタログ・プレゼン資料
会社案内・製品説明・品質管理体制など
5〜20万円
/一式
公的証明書類
衛生証明書・検査成績書など
1〜3万円
/1件
大量文書(マニュアル等)
品質管理マニュアル・工場説明資料など
10〜30円
/1文字
💡 費用を抑えるコツ
JETROの輸出支援サービス活用 | 農水省の参考資料を利用 | 初回は専門家に依頼してテンプレート化

商品カタログやプレゼン資料の翻訳は、ページ数や内容の複雑さにより5万円〜20万円程度が目安となります。衛生証明書や検査成績書など公的書類の翻訳は、高い正確性が求められるため1件あたり1万円〜3万円程度です。会社案内や工場の品質管理マニュアルなど大量の文書翻訳が必要な場合は、1文字あたり10円〜30円の単価で見積もられることが多いです。

翻訳コストを抑えるには、JETROが提供する輸出支援サービスを活用する方法もあります。また、農林水産省が公開している「海外食品添加物早見表」などの参考資料を活用すれば、添加物名称の翻訳は自社で対応することも可能です。初回は専門家に依頼し、その成果物をテンプレート化して類似製品に展開するのも効率的なアプローチです。

英語書類の作成は誰に依頼すべきか?

食品輸出に必要な英語書類は、種類によって依頼先が異なります。衛生証明書や検疫証明書などの公的書類は、日本政府の検疫所や都道府県の担当部署が発行するため、直接申請する必要があります。これらの機関では英語フォーマットの書類を発行してくれますが、申請時に必要な製品情報は自社で準備しなければなりません。

インボイスやパッキングリストなどの商業書類は、通関業者やフォワーダー(国際物流業者)に作成を依頼することができます。彼らは貿易実務に精通しているため、正確な英語書類を作成してくれますが、製品の詳細情報(原材料・成分・製造方法など)は事前に英語で提供する必要があります。

商品カタログやプレゼン資料は、食品業界に強い翻訳会社や輸出コンサルタントに依頼するのが確実です。特に初めての輸出の場合は、JETROの専門家派遣制度を利用すると、無料または低コストで輸出書類の作成支援を受けることができます。また、各都道府県の輸出支援窓口でも相談に応じてくれるため、まずは地元の支援機関に問い合わせてみることをお勧めします。

輸出先国で英語表示が不十分だった場合の対処法

英語表示に不備があった場合、輸出先国の税関や検疫所で指摘を受け、通関が保留される可能性があります。最も多いケースは、アレルゲン表示の漏れや栄養成分表示の不備です。こうした場合、現地で修正ラベルを貼り直すことで対応できる場合もありますが、時間とコストがかかります。

事前に防ぐためには、輸出前に輸出先国の規制を徹底的に確認することが重要です。JETROの各国規制情報や、輸出先国の食品安全当局のウェブサイトを確認しましょう。また、現地の輸入業者に事前にラベルデザインを確認してもらうことも有効です。彼らは現地の規制に詳しいため、日本では気付かない不備を指摘してくれる場合があります。

もし通関時に問題が発覚した場合は、速やかに現地の輸入業者や通関業者と連携し、対応策を検討します。軽微な不備であれば修正ラベルの貼付で済む場合もありますが、重大な違反(禁止添加物の使用など)の場合は、貨物の積み戻しや廃棄処分となることもあります。こうしたリスクを避けるため、初回輸出時には少量のサンプル出荷で現地の受け入れ状況を確認することをお勧めします。